クレープとカメ
初めてのバイト先は高校一年生の時のクレープ屋だった。
バナナチョコクレープが1番人気だったけど、私が好きなものは
カスタードチョコクレープ。
バナナチョコクレープは柔らかい生地で生クリームがたっぷりなのに対し
カスタードチョコはこんがり焼きながらカスタードを塗り、チョコを
まぶしてクレープの形に折り曲げるのだがこれが面白い。
そしてアツアツをいただくと、カスタードと溶けたチョコが香ばしい
生地とマッチして最高なのだった。
ある日、着替えるためにロッカーを開け、靴を入れておいた紙袋を
取り出したときにゴロッと何かが落ちた。
子カメだった。
「・・・・・は?カメ?どこから?」
つかんでみたら、どうやらちゃんと生きているようだ。
私は急いでユニホームに着替えてクレープ屋のキッチンに行くと
プラスチックコップに子カメを入れて慌てて水を注いだ。
少し慌てすぎて、水を出しすぎたようでコップの中でカメが
すごいいきおいでグルグル回っていた。
バイト帰り、私はコップを手に持ちながら(まるで飲み物のように)
繁華街を歩いて帰った。(私の家は繁華街のむこうさ)
実は少しだけ心あたりがあった。
家にはでかいカメが1匹いる。(カメ子)
少し前にベランダで飼っていたカメがいなくなったのだ。(スエ子)
だけどスエ子はぜんぜん小さくなくデカイから子カメではない。
(じゃあ、なんで子カメがロッカーに入ってたわけ?)
(これは夢かしら?)
この謎はいまだに謎です。なぞなぞ、、、、、