あの日あの時あの場所で

ある!ある!忘れられない味~

イクラ丼とスナック勤め

2か月くらいスナックでバイトしたことがある。

すでに働いていたその友達とは中学校の時からの友達で

初々しいあの頃に私たち二人はある約束をしたんだ。

彼女はとても可愛くて、控えめな性格だった。

中学3年生のある日、「イクラって超美味しいよね~」

「ホント、ホント!」

「ねえ、高校生になったらさーバイトして、イクラ丼食べよう!」

「いいねー、食べたーい!約束ね、一緒にイクラ丼食べようね」

 

それから中学を卒業し、私たちはそれぞれ別々の高校へと進学した。

私は県内でも一番レベルの低い高校へ行った。

彼女は少し頑張って中間ほどの高校へと行ったのだが、すぐに中退。

まもなく夜の街で働くようになり、見た目も持ち物も会話さえも変化した。

私も彼女に誘われてスナックでバイトしたけれど、合わずに辞めた。

彼女とほかほか亭のお弁当食べながら

「そういえばイクラ丼食べに行く約束覚えてる?」

私がおしゃべりのなかでフッと思い出し言う。

「あー、そんな約束したよね。なつかしいー。」と彼女。

イクラ丼の約束は、もう過去のものとなったようだ。

その後数年彼女はスナックで働き、そこで出会ったお客さんと

できちゃった結婚した。

生まれた子供は健常じゃなく、その後もDVに悩まされた彼女。

運命とは、どこでどう道がそれるのか誰にもわからないけれど

大人になって少しわかる。

 

「ぜったいイクラ丼食べようね、約束!」

彼女との約束は単なる約束だったのか、それともあの頃を忘れない

ための呪文だったのか。

 

 

 

 

 

 

ネズミ講とチーズケーキ

みなさんはネズミ講をご存じですね?

私が19歳のころにバイト先の男で仲がいいのがいましてね。

ただの友達だったんだけど(タイプじゃない)、コイツが「いい話がある」

とか言って私たちも同席させられたんだけどー。

私ともう一人仲のいい女友達でネズミ講相手をこてんぱにやっつけて

その場は無事に終わったの。

ちょうどそのころの私のマイブームがファミマのチーズケーキだったわけ。

サンドイッチのような形で売られていて名前は「レアチーズケーキ」!

知る人ぞ知る、あのレアチーズケーキを私は毎日食べていました。

誰も信じないと思いますが、マジで毎日食べていたのです。

毎日チーズケーキ食べたら太るみたいで、私もそうなったんです。

そんなある日、友達と道を歩いていたら向こうからアイツが歩いてきた。

ネズミ講のアイツね。

「やっほー、久しぶりー!」(どちらかが先にバイト辞めていた)

「!」目を見開いて驚きの目でわたしを見るアイツ、、、。

「おお、ひ、久しぶり。じゃあな」

アイツはささーっと去っていった。

時は流れて、私のチーズケーキ熱はとっくの昔に冷めまして、

体重がもとに戻ったころのこと。

またまた、ネズミ講のアイツに久しぶりに会ったとたんにこの言葉。

「よー、ひさしぶりー。そういえばお前よー、前にあった時

めっちゃ太ってたからびっくりしたぜー!

どこのデブかよって遠くから見て思った、ハッハッハ!」

(おまえはネズミにでもなれよ!)

と心で叫んだんだけど、30歳になった将来、彼はマジでネズミ講の世界に行った。

これは正真正銘のノンフィクションです。

 

ぞうすいと漬物

さいころ家の近くに「お鍋屋」があった。

「お鍋」が専門のお食事処だから「お鍋屋」なんでしょうね。

そこで美味しいお鍋を食べるやいなや、うちの夕食メニューにそっくりな

お鍋が登場するようになったのだ。

「お鍋屋」ではシメに必ずご飯を入れておぞうすいにするのだが

家でも母がシメに海鮮だしがたっぷり入った鍋に

ごはんを入れておぞうすいを作った。

そのぞうすいと母の彼氏(うちは母子家庭)の会社の漬物(〇〇漬け)

を一緒に食べるんだけど、それがおいしいのなんの。

そのおいしい漬物は彼氏の名前が入っていてさ。

(〇〇漬け)は母の彼氏の苗字が入るの、社長だから。

ただ、彼氏がくせ者で二度と思い出したくないヤツなんだけど

あの(〇〇漬け)はめっちゃ美味しかったんだよなぁ~。

でも漬物に苗字が入っちゃってるもんだから思い出したくないんだけど

お鍋におぞうすい作ったら、「やっぱりこれには〇〇漬けが合うよね~」

と考えちゃったりして。

思い出したくないっつーの!〇〇漬け!

 

 

てんとう虫とオムレツ

行きつけのお店があった。

17歳のくせに。

私は一人でいるのが本当に大好きだった。

でも家で静かにしているのではなくて、一人で映画見たり買い物したり

遠くの図書館行ったりランチしたり、と一匹オオカミの重症なカンジ。

居酒屋にも一人で行くんだからもう手がつけられないね。(時効、時効)

そんなカワイイわたしのお気に入りのお店が「てんとう虫」だ。

思い出すと涙がでてくる。

本当にしょっちゅう行っていて、たぶん3年くらい通った。

地下にあるからすごく暗くてかび臭くて、たまにゴキブリが走るんだけど

ネコが放し飼いにしてあるから大丈夫。

(このネコ、プライド高くてお客からの食べ物は食べない)

わたしが席に座ると奥さんが灰皿をもってきてくれる(時効、時効)

ここのはなんでも美味しいんだけど、オムレツはピカイチだった。

スペイン風オムレツ。

名前がそうだから、スペインのオムレツなんだろうね。

トマトソースの海にオムレツがのってるんだけど、トマトソースは

濃厚じゃなくてサッパリしている感じなの。スープ?

美味しいからお皿にぜったい残さない。

ごはんとともにいただくの。

店内を見回すと、いたるところにてんとう虫がいる。

ランプや、置物や、飾りなどがてんとう虫だった。

夫婦で営んでいるらしく、たまに奥にいるだんなさんが見える。

「おいしかったです。」と言ったことがあるかどうか

覚えていないけど、私が足しげく通いオムレツを注文するのを

「おいしいです」という意味で受け取ってくれるでしょう。

そんな私も大人になり、「てんとう虫」の前を子どもの手を引いて

通り過ぎているうちに「閉店のおしらせ」という紙を見た。

いま思うと、

わたしの青春はあのお店でオムレツを食べている時間だったのだ。

誰の青春も、淡くはかない。二度と戻れない、あの店には。

 

かけもちと明太子スパゲッティ

かけもちをなぜかしていた。

実家暮らしの19歳だけどお金がなかったんでしょうね。

昼間はイタリアントマトでウェイトレスで夜はファミマの店員です。

朝から5時まで働いてさぁ、夜7時からコンビニが始まるわけ。

5時に終わるっていっても可愛いユニホームをおしゃべりしながら

着替えたりするもんだから、あっという間に6時で慌てて出るんだけど

ファミマに行くまでの道のりに一か所だけカフェがあるのよ。

そこで夕ご飯食べるしかないから、入るんだけどね、、。

そのオシャレなカフェで私が食べるものは明太子スパゲッティ。

でも千円くらいしたし、喉乾いているから500円くらいの飲み物

も頼むわけですよ。

そしてファミマに行って3時間バイトして、すごーく疲れてるから

歩いて帰りがてら家の近くのコンビニで夜食と雑誌(好き)を買うの。

千円+500円+1,500円=合計2500円

つまり、ファミマで働いたバイト分を毎日使っていたという笑い話です。

 

PS, 明太子スパゲッティは生クリームたっぷりの

   じゃかじゃか系ですごく美味しかった。

  でもそのカフェすぐつぶれたよ。だって店員が性格悪いんだもん。

夜の海とラーメン

海が近くにあるから、デートで海、飲み会で海、友達と海、

晦日は海となんでもかんでも海でした。

ある夏の暑い日の事。

友達と夜から海で泳ごうぜ、と約束した。

はっきりいって超あぶないけど高校生のわたしに怖いものはなかったから

楽しく泳ぎました。

あんなに暑かったのが泳ぎ終わるとウソみたいに寒くて寒くて。

ふたりとも髪がびしょ濡れで歩いていたら、ラーメン屋が夜の暗い中で

すごく光っていた。(ただの電気だけど)

私たちは初めてラーメン屋に入ってラーメンを注文して食べました。

よく覚えているのは、お腹がペコペコで寒かったということ。

あの夜道のなかで光るラーメン屋と友達と初めて入るできごとが

とても印象深かった。

つまり、味はぜんぜん覚えていないということ!!

一緒に泳いだ彼女は高校を中退した。

彼女の人生は波乱万丈だったのを知っている。

本当に波乱万丈で、彼女は普通じゃない人生を送り

私は少し問題ありの人生だったけど今は普通になっちゃった。

彼女がいま普通の生活をしていることを望みます。

 

 

 

タイ人とタコライス

タコライスをいままでで何回食べたことある?

ピリ辛そぼろにトマトとレタスとチーズをのせて食べるアレ。

はっきりいってレタスとトマトはいらない。

大きめのスプーンでばくばく食べるカレーライスの親戚よ。

これまで一番おいしかったタコライスはソムタイが作ってくれたもの。

ソムタイはタイから出稼ぎにきている30代?のおっさん。

当時のわたしは高校生だったので、ソムタイの突き出たお腹がおっさんに

見えたけれど、もしかしたら20代だったのかも。

割烹のウェイトレスのバイトの私は、厨房のソムタイが作るまかないを

毎日食べていて、その中で一番好きだったのがタコライスだった。何の変哲もない、野菜ゼロのそぼろのみだったけれど味はピカイチだった。

その割烹は、しゃぶしゃぶが専門だったけど夏場はトムヤムクンを出していた。

わけのわからない割烹だけど、ソムタイとパンさん(女)のおかげで

楽しい日々が過ごせたと思う。

あの日から、10年ほどしてお店はつぶれたときいた。

わたしが唯一食べれる辛いものがトムヤムクンラーメンなのは、

きっと私の背景にタイ人との交流があったせいかもしれない。

またソムタイの作るタコライスが食べ、、、いや、トムヤムクンが食べたい!

(あのころ一度も食べてないからさぁ、うぇっとか言って!)

 

 

大食いと納豆ぶっかけごはん💛

その子はとても細くてスタイル抜群の子だった。

料理も上手でニコニコ笑顔で優しい子だった。

け・れ・ど、彼女は大食いなのです。

当時わたしはホテルのフロントで働いていて「大変申し訳ございません」

をまるで趣味のように連呼していたころ。

彼女は長い美しい髪をなびかせて入社してきたのです。

「ステキねぇ。でも男どもがみんな好きになりそうだわ、、」

と思っていたのもつかの間。

3か月もすると、彼女の隠れたあだ名は「魔性の女」になっちゃった。

それはいいとして、問題のお昼の時間を再現しましょう。

彼女と二人、いつものように朝食バイキングの残り(大量)を好きなだけ

食べれる社食であったので、お皿に好きなものだけ取った。

わたしはね。

空いてる席に座ると、まもなく彼女もお皿をもって向かいの席にストン。

ごはんてんこ盛り、味噌汁てんこ盛り、お皿におかずがてんこ盛り。

「すごいね、良く食べれるわね!(o^―^o)ニコ」

笑っていられるのも今のうち、、、

彼女はさらに、おかずのおかわり(お皿にてんこ盛り)をして食べている。

そして、すべてのお皿がカラにになったので「じゃ、行こうか」と

言いかけた、そのとき!

「そうだわ、最後に納豆食べていこう。」

冷蔵庫へ行き納豆を1パックと、またごはんてんこ盛り。

ほかほかごはんにまぜた納豆をぶっかけて美味しそうに食べていた。

毎回シメに納豆ぶっかけごはんを食べた彼女は

20年経ったいま、何をしているのかなぁ。

肉まんと塾

肉まんっていつからあるんだっけ?

中学生のころにコンビニ行くようになってから肉まんをよく食べた。

でも特に好きだったのが、ファミマのチーズフランクだ。(今はない)

フランクかじるとジュワ~とチーズが出てくるのが不思議だった。

中学3年生の私は友達の通っている塾に入るわけだけど、塾の1階はファミマ

なもんだから毎日買い食いしては友達とキャッキャしていた。

受験前の時期で寒い冬ということもあり、私は毎回あったかい肉まんと甘いカフェ

(箱のやつ)を買っていた。

さむーい外で食べるあったかーい肉まんの美味しいこと!

塾の中は飲食禁止だったからね。

中学生という思春期はこだわりが欲しい時期みたいで、

意地でも毎日あったかい肉まん&カフェを食べていた。

ピザまんか肉まんで、あんまんを買ったことはなかった気がする。

カフェがとんでもなく甘いから別に肉まんでいいけど

カフェ(箱ね)は本当によく売れたね、当時。

今もあるからロングセラーじゃない?きっと。

肉まんとカフェのおかげで高校受験は、、、、。Thank you~